病院に着いたら4時頃で、すでに嫁は分娩台にいた。
開口一番遅いと怒られたが、
すぐに陣痛が酷くなりそれどころではない騒ぎに。
こういう時男はやる事ないですよね。
無力だと思いながらも、
出来る事を考えとりあえず嫁の手を握りながらラマーズ法?
を一生懸命嫁に促してみる。
気付けば頭が出て来て、
嫁を見ながら頑張れしか言えなくなり、
俺は落ち着こうと思いながらも興奮状態に。
体と胎盤が出て来て、
助産師さんが赤ちゃんを抱き抱えてくれて、
俺にどうぞと渡してくれた。
抱っこした姿を嫁に見せ、
ありがとうとお疲れ様と言い、
助産師さん伝いに嫁の寝ている所に。
嫁と3人で写真を撮ったりしながら、
新しい家族を微笑ましい時間だったと思う。
助産師さんに赤ちゃんを渡し、しばらくすると
先生と助産師さんが一緒にバタバタと。
嫁と話したり子どもを見たりして数分、
すみません、ちょっと良いですか?
と俺だけ呼ばれて廊下へ。
助産師さんから
赤ちゃんが呼吸をする際に
ポコポコと音がして、
ちゃんと呼吸出来てない可能性が高いです。
産婦人科では見れないので、総合病院にお父さんも一緒に行って下さい。
???
うちの子呼吸出来てない?
???
総合病院?
???
俺も行く?
混乱しながらも朦朧としてた嫁に説明してたら救急車のサイレンがなり、
救急車が産婦人科の前に止まった。
移動がまさか救急車とも思っていなかったので、
あ、救急車止まったな〜
なんて思ってると
「⚪︎⚪︎さん、行きますよ」
と助産師さんから。
分娩台の上にいる嫁を残し、
産婦人科の入り口に行くとケースに入った生まれたての我が子。
院長先生と息子と救急車の後ろに乗り、
思わず
「うちの子大丈夫ですよね?」
なんて言ってしまう。
先生も
「大丈夫ですよ、ちょっと肺に穴が空いてるだけで」
と言うが、
そもそも肺に穴が空いてるって聞いてないぞ、それは大丈夫なのか?
となり、こんなタイミングで聞くんじゃなかったになり。
救急車が総合病院に着くと慌ただしく運ばれる様はまるでドラマ、
見たことあるー、なんて他人事がチラつきながら小走りに運ばれるのについていく。
行き着いた先はNICU。
お父さんはここで
と言われてNICUのドアの前で1人取り残される。
1人になった瞬間に自分の無力さに襲われ、
思わず遠くに住む母親に電話。
ホントは大丈夫だよ、元気な子が出てきたよ
と言うのが親孝行だと思うけど、
事情を説明し出すと涙が止まらなくなり大泣き。
親から何言われたかは覚えてないけど、あんたがしっかりしなさいと怒られた記憶が。
親と電話を切った後も朝日を見ながら1人泣きじゃくり約30分。
やがてNICUのドアが開き女性の先生が出て来て、
⚪︎⚪︎さん?
と。
返事の前に
「ウチの子は大丈夫ですか?」
と。
泣きじゃくってたので先生もビックリしてたけど、
状態・内容・しばらくNICUにいなければいけない事
を説明してくれた。
ちなみに小児気胸という病気?でした。
予定日より早過ぎて肺がくっつききってなかったと。
そして、この出来事が自分としては俺が守るべきものは嫁であり、
この子だと決心させられる時間になった。
朝7時台、産婦人科と病院は歩いても30分程度だったので、
朝の慌ただしい喧騒の中嫁に歩きながらラインをしたら
嫁も起きてて、電話しながら産婦人科に。
嫁は部屋に戻ってて安心させようとしたが
「私今日病院に行く」
と。
…嫁も強い。もとい母は強い。
産んで6時間もたたずに一緒に病院へ。
息子は今7歳、水泳に通い昆虫とYouTubeが大好きな子供に育ってます。
続く